金属加工における鋳造と鍛造の違い
金属加工方法にはプレス加工やねじ切り、ダイカストなど金属材や加工目的に合わせて様々な種類があります。
その中で、金属を指定の形に成型する代表的な加工方法として、鋳造(casting)と鍛造(forging)があります。
鋳造は高温にして液体にした金属を砂型や金型に流し込んで冷やし固める方法です。
鍛造は金属をハンマーなどで叩いて変形させ、形を整える方法です。
鍛冶屋が日本刀を叩いている光景をイメージすると分かりやすいように、古くから職人によってその技術は磨かれ、伝えられてきました。
現代では、古い歴史を持つ金属加工も産業化されており、鍛冶職人というより工場で加工が行われることが一般的ですが、鋳造と鍛造を比較した場合、前者は型に一気に流し込んで冷やすため納期が早く、鍛造よりもコストが低い傾向にあります。
対して後者は、叩いて成型しているため納期もコストも鋳造よりは高くなりやすいですが、何度も叩くことで組織が密になり、クラックが入りにくく、より強度が得られるというメリットがあります。
鋳造と鍛造のどちらを選ぶかは、納期やコストに加えて、必要な耐熱性、耐圧力性、硬度などによって変わってきます。